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末っ子の所有欲
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「…ああ!もう!じれったいなあ、ね、いいでしょ?疲れとか僕気にしないから!」
トド松が遂に耐え切れず声をあげる。びくっと一松がトド松の大声に驚いて肩を震わせた。
「…ぃ、いや、でも…」
迷い抜いた末に一松は首を横に振る。トド松がはぁぁ?といきり立つ。
「ちょ、なんで!?」
「…疲れたし…また今度……俺、体力皆無だし…」
次の機会など与えるつもりはさらさら無いが、半ば言い逃れの1つとして一松が代替案を提案する。
「…元気な時にヤりたい…っていうか…」
そんな事思っても無いクセに。
と心の中で呟くとトド松の少し傷ついた様な顔が一松の心を痛めた。
しかし。そんな一松の心情も露知らず、トド松は彼の見えないようなところでギリっと歯噛みする。
「…だから…ごめんね…トド松…」
一松が目を伏せてそう呟いた。そのセリフにトド松の心臓がどくんと音を立てる。
謝らないでよ。お願いだから…
「…ほんとに…ごめん…」
僕を責めてよ…僕が悪いのに…
止めてやめてやめてやめてヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ…ッ!!
「…トド松…?」
反応の無いトド松に一松が首を傾げた。
「………は…、の」
「…どしたの?トッティ」
さすがにおそ松も気になったのか声をかけた。しかし反応は無い。
僕は一松兄さんが好きで。
でもそれはダメな事で。
だけど一線を越えたくて、
どうしても一松兄さんに
僕だけを見て欲しかった。
頭の中で自分の感情が渦を巻く。酷い耳鳴りが聴覚を支配して何も聞こえない。
「…?…トド松?」
一松が何が何だか分からないという顔でおそ松を見た。おそ松が何かおかしいと感じてトド松の顔をのぞき込む。
「…おーい…トド松……?…ッ!?」
おそ松がぎょっとした顔で言葉を失った。トド松の顔に感情が無い。すっぽりと感情が抜け落ちてしまったかのようにトド松は無表情だった。
「…僕の、一松兄さん……僕だけの…」
微かに動く唇から小さな声が漏れる。延々と繰り返す酷い所有欲。
おそ松の背筋をぞくっと悪寒が這い上がった。
『ドライモンスター』とは思えないほどの執着。いや、それとも、だからこそ『ドライモンスター』なのか。
やはりトド松も、他の兄弟と同じなのだろう。キチガイ、狂った六つ子の一人なのだ。
「…何?おそ松兄さん…」
やっと気付いたトド松が目を向ける。
「…僕…今から一松兄さんとセックスするんだけど?…退いてくれない?」
その言葉に驚いたのは一松だった。
「…ッ!?…あ、や…セ、セックスしないって俺…言ったばっか…、…トド松…?」
トド松はニコッと笑うとおそ松をまるで目にも入っていないかのように無視すると一松の方へ歩み寄る。
「…大丈夫、疲れてても気にしないって言ったでしょ!だからいいよね?…僕だけの一松兄さん」
「…へ?」
そう言ってトド松は一松の足を持ち上げた。
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