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頼るのをやめにしよう
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そうだよ、キミしかいない。
キミしかいないのにそれを捨てたのはボク。
もうそれがボクの元に戻ることはない。
だって、だって、ボクが全部要らないってしたんだから。
「うーみちゃん??」
黙ったボクの名前を木村が呼ぶ。
ひらりひらりと目の前で手を振りながら。
「帰る。」
すくっと立ち上がって、テーブルの上にパフェの料金を置けば鞄を持ってその場を後にしようと歩きだす。
「え??ちょっ、うみちゃん??」
木村が焦っている。
いや、分からなくもないけど。
でも、なんだろう、木村にもこれ以上お世話になっちゃいけない気がして、このままいたら木村に流される気がして。
こんなんじゃいけないから、
こんなんじゃキミから離れた意味がなくなっちゃうから、
すたすたと帰り道を歩き続ける。
後ろから追いかけてくる木村。
まぁ、そうか、そうだよね。
そんなに自分は足速いわけじゃないし、追いつかれるか。
ぴたりと止まって後ろを振り向いて木村に一言。
「今までありがとう。」
その言葉に木村が固まっている。
は??みたいな顔して。
でも、だってボクにはそんな言葉以外見つからないんだもん。
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