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曲と笛に合わせて
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音楽が始まり、笛が鳴らされ行進が始まる。
かんかんと日光は照っていて、光の方向に向かうもんだから眩しさで目が痛い。
本番だし、みんな真面目だから手を抜いたらバレそうで、怒られそうで手は抜けなかった。
練習の時は少しだけだった校長先生の話、PTA会長の話、選手宣誓……全てがフルで行われるから長い。
最後まで立ってろなんて酷すぎる。
暑さで吹き出た汗が頬を伝ってぽたりぽたりと地面に落ちる。
拭いたいけどぴしゃりと揃った状況でそんなこともできるはずがない。
早く終われ、早く終われ。
そう思っても時間は早まらない。
そして、やっと退場。
疲れた。
開会式で自分の今日1日の体力を使った気がする。
観覧席に向かうとキミがタオルでボクの汗を拭ってくれる。
水筒から冷えたスポーツドリンクをコップに注いでくれて、それを口にすると少し生き返った気がする。
「頑張ったね。」
よしよしと頭を撫でられて、照れくさかったけど嬉しかった。
ボクはそんなキミに弱い。
めんどくさいけど、今日だけは、ちゃんとイベントに最初から最後まで参加しよう。そう思った。
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