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午前のプログラム
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午前の競技は玉入れだけで終わった。
ボクは委員なんてしてないから、玉入れ以外はずっと観覧席に座っているだけだったけれど、キミは記録係なんてのをしていたからちょくちょく観覧席を離れた。
キミが観覧席にいる間はキミに構ってもらえた。
けれども、いない時はボクは一人で目の前で繰り広げられる競技を眺めるだけ。それが暇で暇でしょうがなくって、いつもの場所に行った。
がらりと戸を開けて入る保健室はクーラーが効いていてとても気持ちが良かった。
「あら、体育祭お疲れ様です。」
ボクに気付いた先生はそう言ってにっこりと笑うと麦茶を差し出してくれた。
備え付けの真っ白なソファに座りまったりとする。
保健室はグラウンドから遠く、窓の外を覗いても、今、体育祭だということが嘘の様に静かな光景が広がるのみだった。
気が付いたらボクはソファで寝ていたみたいでキミに揺すられて目を覚ました。
「海、午前の競技終わったよ。お昼食べよう。」
「ん……お昼ぅ……⁇」
目をこすってぼんやりとした脳でキミの言葉を理解する。
あぁ、もう午前終わったのか。
いや、まだ午前しか終わってないって考えるのが正しいのかもしれない。
午後は50m走とクラス対抗リレーがある。
めんどくさい…けれど、そんなこと言ったらキミは頑張ろうって微笑んで応援するんだろうね。
「中庭で食べよう。」
キミがそういってボクの手を引く。
せっかく涼しい空間にいるのに暑い外に出るのは嫌だった。
でも、キミがうさぎさんをモチーフにお弁当作ったとか言うからボクはそれに騙されてキミに従うんだ。
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