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自覚はしてたんだ
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キミから離れて何日が経ったかな。
ちゃんと時間割も覚えた。
ちゃんと授業の準備ができるようになった。
ちゃんと鍵も閉めて家を出るし、財布もちゃんと自分で管理してる、朝もちゃんと起きてる……
ちゃんと…できてる……なんて、当たり前のことばかりなんだけど。
あ、隣の席の奴の名前もちゃんと覚えた。
木村だったと思う。
「おはよう。海ちゃん。」
「おはよう。」
学校に着くと隣の席の木村に挨拶。
前までキミと行動していたのが嘘みたいに木村と行動を共にしている。
あ、でも、木村だけじゃなくて他の人とも話をするようになった。
最初は「翔くんと喧嘩したの??」とか聞いてきた人もいたけど、何も言わなかったら察したように何も言わずにみんなそれには触れなくなった。
そして、哀れんでるんだかなんなんだか、ボクにいろんなものをくれる女の子が増えた。
「お腹空いた~」って朝起きるのが遅くて朝ご飯買う暇なく学校に行った時に木村に言ってたからだと思うけど、朝は基本、菓子パンとかお菓子が机の上に置かれるようになった。
「かわいい顔してるとそこのとこズルいよな。」
木村がメロンパンを頬張っているボクに言った。
「かわいいは罪だから。」
もさもさと食べ進めながら会話を返す。
知ってるよ、顔だけはかわいいってことくらい。
だから、甘え続けたんだ、キミに。
キミが他に目を向けないように作ったんだボクを。
あー、でも、そっか、そうだ。
もうキミから離れたんだからかわいいボクは要らないの、か。
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