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12.約束。
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相変わらず仕事にきっちりの完璧マネージャーはトレードマークのセカンドバックを持って、エレベーターに向かった。このフロアはスタッフさんしか泊まってないからゆっくり歩ける。ん?そういや、
「なーなー鈴木さん、もしかして友希にも会った?」
「当たり前やろ。やつが迷惑かけてすんませんって、菓子折り持って行ったわ」
「うそ~、僕迷惑かけてへんし」
「あほ、プライベートで来てんのに、お前がまわりちょろちょろしよったら騒ぎになるの決まってんやろ」
「そんなつもりないんやけど」
「なくてもそうなの。いい加減自覚しろやほんまに」
「友希、なんて?」
「「そんなことないです。それよりいつも鈴木さんにお世話かけてすみません」って反対に謝られたわ。ほんまにエエ子やな」
「やろ!」
鈴木さんにエエ子って言われた~っっ。ますます機嫌が良くなる僕を見て、
「よし、その意気込みで今日は雑誌7本取りや。稼げ!」
「鬼っっ!!」
…だから昨日スケジュール教えてくれへんかったんや。マジで鬼やで、このマネージャー。
ホテルの裏側に停められたワゴンに押し込まれてから、いつもの缶コーヒーを渡された。あーなんか、仕事行くって感じ。東京とは全く違う風景を眺めながら今日の撮影と取材場所に移動。明日にはもう帰るんやな~。これからはちょくちょく来てもええかな。…いや、友希がおらんかったら全然意味ないし。
「な、鈴木さん、今日な、夜な、友希と海行くねん!」
「おー、誘ったんか?」
「そう!やっと誘った~、絶対海行こうって決めてたんや~」
「ふんふん、それで、無い頭を絞って、最終日で夜なら俺にも怒られんやろうと、結論を導き出したってわけや」
「そう!」
「ほんま自分、あほやな。ま、そこがええんやろうけど」
「は~、どきどきする」
「…聞いてるか?」
「夏の思い出やで、鈴木さん!」
「…そうやな、頑張ってな。とりあえず今日の仕事頑張らんと夜までに終らんから、そこ、頑張れ」
「頑張るって!」
鈴木さんの許可もばっちり貰ったし、夜が待ち遠しい。今日は巻きで終らせたる!
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