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38.想いは花開く。
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「友希」
「・・・ん・・・」
「友希、友希、友希」
気付くと友希の顔の両脇に腕を着いて彼の寝顔を至近距離で見つめていた。何も言わない彼に、何度もその名を繰り返す。
幸せそうに寝息を立てる友希と、葛藤に苦しめられる僕。
今、この口に僕の口を付けてしまったら、どうなるんやろ?何か変わる?何も変わらない?
「友希」
もう一度名前を呼ぶと友希の顔がゆっくりと歪んでいった。そして友希の頬っぺたに落ちた一粒の雫。
「ごめん・・・」
そっと指で拭って、寝室を後にした。ほんま今日はもう限界。僕も疲れてんのかもしれへんな。
「風呂入って寝よ・・・」
カバンと鍵を取って、友希の部屋を出た。明日は久々のオフやし、友希に朝ごはんを作ってもらおう。いつも通りに、いつものように。白いご飯と納豆。卵焼きとあじの開き。友希の味噌汁はどこのお店の味噌汁よりも美味しいんや。
今日は、意気地なしな自分を呪って寝るんや。
ついでに、こんな変な感情にさせた社長をめっちゃ!呪ってやる!!!
「くっそーっ、友希、やっぱ好き!」
全力で叫んだ。
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