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佐伯
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営業課長の持ってきた資料の添削をして、夜、スカイプで最終の打ち合わせをすることで明日の報告に間に合わせる算段ができた。が。
時間は9時半。
嫁に9時に帰ると言ってきたのに、と、意気消沈して帰る背中に、俺の方が泣きたい、とひとりごちる。
彼は帰ってしまっただろうか?
朝食は食べただろうか?
出かける予定は有効だろうか?
彼にとって単なる買い物でも、自分にとってはデートだ。
玄関の三和土に彼の靴があることにまず安堵する。
赤いスニーカー。
食べた食器は洗って伏せられ、ベランダには布団が干してあり、布団のないベッドで、本を読んでたらしい、そのまま眠ってしまってる彼を見つけて、よかった、と笑みが漏れる。
起こして出かけるか、それともそのまま寝かせておくか考え、とりあえず11時までに起きなければ起こすことにし、パソコンに向かう。
メールの中に、ついさっき別れた営業課長からの添削終了の資料と、嫁に怒られた云々の恨み節が入っていて、それは俺のせいだろうか、と、資料をみながら思う。
とりあえず、仕事を終わらせれば、夜のスカイプがなしになる。夜まであの男の顔を見たくない。
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