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Dear.春 9
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おれはひどいやつだ。
「俺は....本当は....、
先輩に笑いかけてもらえるようなやつじゃない」
笑いたかったけど
何故か、頬が濡れた。
先輩は、唇を噛んだ。
俺はそれを見て、
終わりなんだなと思って
何も始まってすらいないけど、
ただ、昼休みに他愛ない話をして冷たい弁当を食べて
雪華先輩が笑うから
おれも、わらう、みたいな。
それは、大事にしたかったもの。
宝物みたいなものになってたんだなって。
なってたんだけど、
終わりなんだなと思ったら。
俺は、シミひとつない先輩に壊されるより
「せんぱい....おれとしたい...?」
また、自分で壊すんだ。
と思った。
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