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「誰がチベットスナギツネだ、うるさい散れ!」
俺は彼女にそう言って言い返すと机の上をバンと叩いた。机を叩いて威嚇すると彼女は子供のように拗ねて 自分のデスクに戻っていった。
「や~ん! 潮海課長ったら、冷たい〜! そんなんじゃ女子にモテないんですからね~!?」
「ふん、負け犬の遠吠えが。オッパイを揺らして俺を落とせると思ったのか? 笑止、1億と2000万年早いわ!」
慌てて去っていく彼女に向かって、ブツブツ言い返すとパソコンをカタカタと鳴らして貧乏ゆすりをした。
それこそ地面にドデカイ穴がくらいの高速貧乏ゆすりだ。まるで電気ドリルのような、高速貧乏ゆすりに周りはその音と彼の姿に驚愕した。
地面にヒビが入って穴があく。ついでに白い煙も出てきた。アスファルト(床)に風穴をあける勢いの貧乏ゆすりを前に社員達は騒いで混乱して、散り散りになって逃げ惑った。もう床が抜けると誰もが覚悟したとき。潮海の腕時計が鳴った。
「はっ、もう退社の時刻だ! いかん、早く帰らなくては……!」
彼は高速ドリルの貧乏ゆすりをやめると、椅子から立ち上がった。そして、なに食わぬ顔で近くにあったタイムカードを押して、誰よりも真っ先に帰った。潮海課長が帰ると周りはひと安心した表情で、誰もが疲れた顔でため息をついた――。
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