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「お前の罪は罪深い。ひとーつ。まず、この私の鞄を勝手に開けたこと。ふたーつ、喧嘩する相手を間違えたこと。みーつ、彪我まことの作品。『腐男子君の恋愛袋小路』様をその小汚ねぇ靴で踏みつけようとした罰だ。この私が作者のサイン欲しさに徹夜で寝泊まりてして並んで、やっと手に入れたプレミア本を貴様は愚かにも踏みつけようとしたんだ。ただじゃ済まん、悔いて死ね!」
「アヒィィイイイイイイイッ!! ごっ、ごめんなさい! ホンマ堪忍や、ホンマ、ホンマに!」
「雑魚がもう遅い……!」
『潮海陸斗仙人《マスターヨーダ》秘奥義、腐男子逆鱗百裂拳《ボーイズラブ・ショット》!!』
『あたたたたたたたたたたたたーーーーっ!!』
「グハーーッ!!」
その瞬間、潮海は相手の全身に素早いパンチをお見舞いした。ハチが突き刺すような、鋭い連撃パンチを一気に喰らうと、強面のヤクザは血飛沫を散らしてアスファルトの地面に倒れ込んだ。
「フン、無様だな…――」
こうして強面のヤクザを撃退すると、大切にしているびーえる漫画を鞄にそっと閉まって、上半身裸のネクタイ姿で彼は風のように去った。
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