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ヤクザと喧嘩になってボロボロになった潮海は、缶ビールを片手に酔っぱらいながら歩いた。
「くそくそ、 人生 くその連続だ……!どーせ、どーせ、俺は腐男子さ。ついでに鞄にホモ本入れて歩いてるような、どうしようもなく、救いよーもないダメな腐男子君さ。ばっかやろ~!」
周りの人々は上半身裸のネクタイ男を避けるように歩いた。すれ違うカップルは潮海の方を見ながらコソコソと囁く。
彼は猛犬のように睨むと、見てんじゃねーよと睨みつけた。そして、近くにあったごみ箱に足をとられて派手に転んだ。
「ダハハッ! なんちゅー様だ 私とした事が、アハハハハハハッ!」
彼は大声で自分の人生を嘆くとメソメソ泣いた。そして、大人げなく地面をバタバタと転げ回り、イヤイヤダンスして荒れた。更にひっくり返したごみ箱から生ゴミを漁った。
「ハハハ! こりゃいいぜ、ウインナーがあるぞ。缶ビールにウインナーは王道だ!」
そう言って彼が大声を上げて笑っていると近所に住む、ネグリジェに頭にピンクのカールを巻いた中年の女性が部屋の窓を開けて上から注意した。
「あんたうるさいよ、今何時だと思ってるのよ!?」
「おお、こりゃ失礼マダム。今日は月が綺麗ですね!」
「あんた酔っぱらってるのかい!?」
「そー見えますか?」
「なによバカな男。あんた、人生捨てたのかい?」
「ああ、人生。人生ね、どーでしょうか?」
「全く酔っぱらいはこれだから困る。酔っぱらうならよそでやって頂戴!」
年配の女性は迷惑そうにそう言って話すと、窓をピシャリと閉めた。潮海は缶ビールを片手にフラフラと大都会の片隅にヒッソリと消えた。
――翌日、潮海は酷い二日酔いと体の筋肉痛に苦しみ。更に仕事は今一だった。その次の日、彼は帰りの途中に新宿二丁目にフラりと立ち寄った。
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