アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
#寺島が気になるわけない!
-
『――純太、昨日はあんな後輩してごめんな!』
『真様……!』
『ううん、僕はいいんだ。気にしてないから全然平気!』
『バカ! 少しは俺の事を気にしろよ!』
『えっ…――?』
『保健室でのことだよ。お前が牧野の話しばかりするから、つい……! 俺もカッとなってお前のことをめちゃくちゃにしてやろうとベッドに押し倒したけどさ。純太は牧野のが好きなのか?』
『真様……! ううん、僕は牧野君よりも真様の方が一番だよ!? だって真様にベッドに押し倒された時、嫌じゃなかったんだもん!」
『えっ……?』
『あっ…――』
『なんだよ純太。いきなりそんな顔で、俺の事を惑わす気かよ。また一人でバカみたいに舞い上がっちゃうだろ?』
『僕はキミならめちゃくちゃにされても良い! 真様が大好きだから、大好きっ……!』
『バカ、いきなり泣くなよ! 俺もお前の事が、世界で一番大好きだ! お前が俺の胸ポケットに入ればいいのに…――! 誰にもお前を見せたくない! だってお前可愛い過ぎだから俺しか視界に見えなくなればいいのに!』
『しっ、真様…――!』
『あの時の続きしてもいいか?』
『あっ、やっ…! そんな……! こんな所を誰かに見られたら…――!』
『大丈夫、誰も来たりなんかしないだろ。それにここにはマットレスもあるし誰も来ないから安心しろよ。体育館には鍵かけといたし』
『しっ、真様…――!』
『こないだの続き、嫌とは言わせないぜ? 俺はずっとお前とこうしたいと思ってた。お前が本当は腐男子でも俺はお前を嫌ったりなんかしない、大好きだ純太…――!』
『ああっ、真様っつ!!』
『――バカ、泣くなよ。こっちまで泣きたくなるだろ。お前の生まれたままの姿をせてくれ』
『だっ、だめ……! やっ、そこは…――!』
『純太の『ここ』がこんなに可愛らしいなんて、俺よりも小さくて、大事に扱わないと壊れちゃいそうだな』
『やっ、そこは汚いよ……! ふぁっ、しっ、真様…――!』
『スゲーピンク。可愛い、純太』
『あっ、あっ、真さまぁ……!』
――朝っぱらからバスの中でBLボイスが堂々と流れた。そこに居た全員はヒソヒソと話すと彼を遠目から見た。だが、彼はそんな事すら一切気にせずに、BLドラマのCDをイヤホンから駄々漏れしてもお構い無しに聴き入った。
「フッ――」
ついに真様と結ばれたのか純太君は。保健室で口説かれてあのあと、牧野の邪魔が入って未遂に終わったけど。暫くギス木した関係からまた仲直りして、最後は二人は体育館で結ばれてめでたくハピエンか。悪くないな。
「腐男子君の袋小路よ、感動をありがとう!」
そう言って一筋の涙を流して宙を見上げた。
俺はこないだの失態を2度とやらかさないと心に誓うと、いつも鞄の中に入れてるBL漫画を持たずに会社に出勤した。
BL漫画が駄目ならBLボイスがあるじゃないか潮海陸斗よ。これなら周囲にバレるハズがない。
「フッ、勝ったな。俺ってば天才だ――」
そこでニヤリと笑うとBLボイスを聴きながら勝ち誇った。会社につくと扉あけて同僚の部下達にキリッと爽やかに挨拶すると、自分のデスクについた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
78 / 84