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「では、エモーションセンサーを感知する、ハイテクブレスレットの商品を開発をしましょう!」
「はっ?」
「今の時代は人の気持ちや、相手の気持ちがわからない時代になりました。なんて滑稽な社会になったとは言えでも、その気持ちを『見える化』することで、少しは相手のことを思いやったりすることが出来る素敵な社会になるはずです!」
織田は斬新かつ、突拍子もないことを話した。俺は直ぐに『却下』と言おうとしたが、周りは織田の意見に賛成と言わんばかりに拍手して関心を示した。
そんな中で却下と言える雰囲気でも無くなると、俺はその場の流れに乗った。それに話を聞いてないことが周りにバレる。だから俺は、そのまま反対せずに任せることにした。
まあ、どうせ開発部の方から断られるはずだ。そんなハイテクで近未来的な物をうちみたいな企業が簡単に作れるなら、NASAすらとっくに作ってるはずだ。
ブレスレットだが知らんが、それで相手の気持ちや考えがわかるなら。世の中、苦労しないだろ。織田には悪いがその商品企画は、後で無かった事にしてもらうか――。
周りが盛り上がってる中、俺は一人冷静に考えていた。不意に前を見ると織田の話しに寺島も耳を傾けて聞いていた。そして、何だかニコニコして笑っていた。
すげー仲良さげな雰囲気を前に、俺は舌打ちしてテーブルの上にあった書類をグシャリと握り締めた。
クソ! 一体全体、何だっていうんだ!
何でこんなにも気持ちがモヤモヤするんだ――!?
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