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Escape
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【逃亡愛好】
真冬の空の下で僕は裸足だった。
だけどそんなことも気にしないで深呼吸をひとつして
僕は歩き出した。
朝だからか人気が少なく裸足でいてもたいして気にすること無くしばらく自由に歩き回っていた。
だが、ふと我に帰った。
「そうだ。僕は逃げてきたんだ。」
後ろを振り返り確認した。
白い壁、赤褐色の屋根、二階建ての一軒家。
その家の2階から逃げ出した。
逃げたことがバレたら間違いなく追いかけてくる。
追いかけてきてお仕置きをされるだろう。
今までと比べ物にならないくらいキツイお仕置きを。
そんなことはもう出来ないけど。
何分かその家を見つめていた。
そして僕は走り出した。
宛もなく逃げ出した。
少し離れたところで振り返った。
一瞬だけ視線を感じた。
「逃がさない」
そう言われてる気がした。
あの人は確かに殺したはずなのに。
そんな気がして仕方がなかった。
どうしようもないくらいの不安と恐怖が僕を襲う。
が、そんなことを考えていたら
せっかく逃げ出せたのに意味がない。
そう考えながら僕はまた走り出した。
どこに行く宛もないのに。
逃げられるはずもないのに。
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