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人形の君7
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「由良…おい、由良。」
「えっ…?」
「大丈夫か?」
君は何回も僕のことを呼んでいたらしい。
「どうしたんだ?考え事か?」
「…うん。少し昔のことを思い出しちゃって。」
「……そうか。」
腑に落ちないような表情で話す君を見て
何故かほっとした。
随分と昔のことなのに思い出すだけで怖くなる。
「あ、そういえば、今日さ俺の親戚の人が家に来るんだけどいいか?」
「うん。大丈夫だよ。それに、元々君の家なんだから
自由にしていいんだよ?」
僕は今「君」の家に居候という形で住ませてもらっている。役に立たない僕を拾ってくれた。
学校に行けなかった僕が働くなんて当然できなかった。
だけど君は「家事をしてくれたら働かなくてもいい」という条件で僕に居場所をくれた。
僕にとって親友でもあり、家族以上に大切な人だ。
だけど君はそうじゃない。
君は僕の一番の親友なんだ。
そして、それ以上になりたいんだ。
僕は君の一番の親友で、君を一番わかってるはずなんだ。
だけど、君の中で一番にはなれなんだ。
昨日、君に彼女が出来たんだ。
嫉妬で狂いそうになった。
だけど僕は嫉妬なんてしてはいけないんだ。
だってそんなことしたら君に嫌われるから。
役立たずの僕がそばにいるだけで君に不快な思いをさせているから、嫉妬なんて理由で君に迷惑をかけられない。
だけど少しでも振り向いて欲しくて、つい、君を階段から突き落としてしまった。
君は右足を骨折してしまった。
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