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16歳 お年玉
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ふと気づくと誠実の胸の中だった。
「理久、大丈夫?」
おでこに貼られている冷却シートで自分が熱を出していたことに気づく。
身体の疲れからなのか、知恵熱なのか。
あるいはどちらもなのかも知れない。
「誠実ぃ…皆知ってるの…?」
「ん?全員夏休みに気づいているよ。」
「…そう…なの。」
力なく答えると誠実が理久の頭を引いて胸に押し込める。
「…俺の大事な恋人、だろ…?隠す必要なんてない。」
顎を持ち上げられてそっと優しく口付けられる。
優しい唇の感触にうっとりと身を任せてしまう。
啄むだけの浅いキスを繰り返していてふと気づく。
「そういえば…ここ何処?」
夏休み過ごしていた誠実の部屋でも客間でもない。
15畳はありそうなこの広い部屋にあるのはたった今横たわっているダブルのベッドと本棚と小さなテーブルだけだ。
「理久と俺への『お年玉』。」
「え?」
「俺たち2人が一緒に広々使えるように、道場の2階に部屋を増築したんだって。」
「えぇっ!?」
ベッドも以前誠実が使っていたセミダブルではない。
「ま、まさか…このベッドも…?」
「そうだろうな。うちでこんなベッド初めて見た。」
ダブルのベッド1台だけを提供されているということは身体の関係がある事も知られているということで。
「………恥ずかしくて顔合わせられない………。」
羽毛布団を手繰って顔を枕に埋めると深く深く溜め息をついた。
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