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17歳 ライバル
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新しいクラスに変わっても、誠実はやはり寂しいのか理久の顔を見にちょくちょく理久の普通科クラスに顔を出す。
その度に教室の空気は変わる。
理久に会いにくる誠実の表情はとても柔らかく、でもいつもと同じように凛々しい。
普通科のクラスの女子の多くは憧れ、更に黄色い声で喜んだ。
1年の頃からなのだが誠実は関係を隠そうとしない。
でも理久が困った顔をするので誠実もなるべく距離をとり、触れないように心がける。
そうしてとても仲の良い友人のように振舞うようにしている。
高岡君かっこいい、紹介して、の言葉に理久はいつも笑ってごまかしていた。
兎に角ライバルは多い。
1年の頃のクラスメイトの中では2人の関係は暗黙の了解だったが、マンモス校で1学年400名いる為全員を把握するのは難しい。
話したことのない同学年の生徒のほうが多いくらいだ。
新しいクラスのメンバーも半分以上は初対面に近く、誠実との関係を知らないメンバーが殆どだった。
それはある意味ホッともしたが、不安でもあった。
(誠実との関係を知られて、誠実を敬遠する人間が出来るのは嫌だけど…でも言うなれば…フリーだと思われているんだろうなぁ。)
誠実は廻りに全く女の影がない。
理久の為にかもしれないが友人にもならないように必要以上に会話を持たない。
そこがいいのだ。と女子は持て囃す。
誠実が浮気や心変わりをするとは考えていない。
それでも、理久の心はちくりと痛んだ。
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