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17歳 転入生
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翌月の5月、理久のクラスに季節はずれの転入生が来ることになった。
寮があるので親の都合などで編入希望は時々あるが、編入試験が難しいという理由で受かるものはあまりいない。
ソレを突破してきたのだから普通科クラスとはいえ優秀ということだ。
「理久、来週来る転入生、女子だって!しかも可愛いって噂!」
「壮介の情報網って凄いよね。そっかぁ。壮介の好みだといいね。」
噂はどこからか広がりクラスの男子は浮き足立っていた。
彼女が紹介され教室に入ると全体がざわめいた。
それは彼女の美貌にだった。
モデルといっても通用しそうな外見に全員が息を飲む。
「中川 遥です、宜しくお願い致します。」
にっこり笑う表情や透き通るような細い声まで全てが美しく、明らかに話題になりそうなトップクラスの美少女だった。
「…あー、俺、パス。」
「何で?可愛いじゃん。」
乗り気だったはずの壮介の言葉に理久が首を傾げる。
「…なんてゆーか、うん。戦意喪失?相手にならねぇわ。」
確かに彼女の隣に並んで引け目をとらない男子は限られてきそうだった。
「…一波乱ありそうな気がする。」
「………。」
根拠はないがいつも壮介の勘が当たることを理久は知っている。
黙りこくったまま、理久は彼女を取り囲む輪からは距離を置いた。
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