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16歳 入寮
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入学式は明後日、叔母がきてくれる予定だ。
入寮の説明を聞いて各自部屋に入る。
2人部屋の鍵を受け取ると階段を上がった。
一年生は3階、二年生は2階、三年生は4.5階とフロア毎に部屋が違う。
基本的に生徒からの希望や届け出がない限り三年間ルームメイトは一緒。
一つ一つ説明を受け、ワクワクしていたが特に気になるのはやはりルームメイトとの相性。
(…375号室、端っこだぁ。)
角部屋の鍵を回し、部屋に入るとまだルームメイトは来ていなかった。
大浴場の他に部活動で遅くなる生徒のためにと各室にシャワーと洗面台とトイレがついている。
食事は寮でも学校でも食堂の利用だ。
ICカードを使い食事を取る。
貰った備品を見つめながら期待に胸が膨らむ。
その時ガチャリと鍵の開く音がした。
入り口には扉とさほど変わらない身長の高い男が現れる。
伏し目がちの黒い切れ長の目を理久に向ける。
(…こ、いつ入寮式で、代表の挨拶してた奴だ。)
すなわち入試トップの男。
「っは、初めまして。横屋敷ですーあ、ヨコヤシキ、リク。」
「…タカオカ セイジ。」
ぶっきらぼうに言い捨てると興味なさそうに視線を他にやる。
「三年間、宜しくっ!」
「…ん。」
元気に差し出した手は軽く重ねられたが、握るような暖かい感覚はなかった。
嫌いという感覚ではない。
でも好かれてもいる感覚でもない。
無関心という言葉がふさわしい。
(…大丈夫かな、俺。)
理久の不安な新生活はこうして始まった。
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