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16歳 ルームメイト
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部屋に戻ると誠実もちょうど帰ってきたばかりのようで着替えていた。
「誠実って…呼んでもいい?」
「…ああ。」
興味なさそうにTシャツに腕を通す。
「誠実、何かスポーツやってたの?すごい筋肉。」
部屋の入り口から見惚れて靴も脱がずに立ち尽くしていると、ため息交じりに誠実が理久に歩み寄る。
「…部屋に上がってから話せ。」
理久の持っていたバッグを奪うとそのまま部屋の奥のデスクに置く。
ハッとして理久がローファーを脱いで部屋に上がった。
靴はまだ履き慣れてなく硬い。
踵に手を添えて脱いだ。
「…剣道。父が道場やってるから。」
ネクタイを外しかけた理久の背後でベッドに横になりながら呟く様に話す。
「へー、カッコいい!!段持ってんの?」
口を開いてくれたことが嬉しくてまたしても着替えを放って誠実のベッドに腰掛ける。
誠実は呆れたように体を起こし理久のネクタイを引き抜く。
「…着替えてからにしろよ。」
夢中になってしまうと他を忘れてしまう。
まるで子供のようにあどけない理久。
「…ごめん、俺昔からよく落ち着きがないって言われるんだよね…。」
その通りだと思ったがあえて言う程ではない。
「誠実、うるさかったらごめんね。その時は言って。」
不安そうに眉を下げる理久の頭を撫でる。
「俺は逆に喋るの苦手だから、お前が話してくれた方が気が楽。」
理久の女子のようにサラサラの細い髪に触れる。
指を通して梳くと理久がその手と言葉に安心したのかホッとため息をつく。
「…良かったぁ。」
パタンと誠実の横に寝そべる。
「…横屋敷、狭い。」
「えーいいじゃん。ってかさ、り・く!理久って呼んでよ。」
子供みたいに頬を膨らまして理久は誠実を睨む。
「わかった…理久。」
そう呼ぶだけで理久の顔がぱあっと華やぐ。
「誠実、仲良くしような。」
シングルのベッドに窮屈に並んで理久はエヘヘと笑った。
誠実は言葉もなく理久の頭を撫で、小さく微笑んだ。
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