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16歳 昼間の寮
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寮の入口はガランとしていた。
まだ授業中なのでそれは当然のことだがいつも騒がしい寮を知っていると違和感でしかない。
ポケットから寮の鍵を取り出すと守衛の男性に会釈し簡単な説明をして部屋へ向う。
3階まで階段を上がると理久がキュッと誠実のシャツの襟を掴む。
「ご、めんなさ…重くない?」
そんな心配するな。といつもなら頭を撫でるのだが今日は手が塞がっている。
いつもより熱いおでこに自分のおでこを当てる。
「…熱いな。早く休もうな。」
顔を覗きこむと潤んだ瞳がじっと誠実を見つめる。
「せ、いじ…学校に戻る…?」
「いや、理久の傍に居る。」
安心して眉が下がる顔が誠実のブレザーに潜り「良かった。」と呟く。
部屋のドアをあけて理久を先にベッドに寝かせた。
上履きを脱がせると、ようやく自由になった手でパジャマに着替えさせる。
何の疑いも無く誠実に任せた身体はするすると脱がされていく。
「パジャマの上からこれも着て。」
ダボつく大きな誠実のパーカーを羽織らせられ、細い腕を通す。
誠実も自分のスウェットと長袖のTシャツに着替えると引き出しから冷却シートを取り出した。
「前髪上げて。」
横になった理久の隣に座り額にシートを貼ると気持ち良さそうに息をつく。
しばらく頭を撫でてやると眠そうに目をトロンとさせる。
「寝る前に薬、な。」
机の引き出しに常備しているゼリー状のドリンクを強引に飲ませる。
常温で不味いだろうが文句も言わずにチュルチュル吸う所を見ると味覚もないのだろう。
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