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16歳 公認
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「………あー…成る程。その反応…。」
一斉に全員の視線が誠実に向いた。
「…ふぅーん、2人がねぇ…。」
ニヤリと笑ったクラスメイト達からの視線を一身に受ける誠実。
それを庇おうと理久が席を立つ。
「っ、ち、違う…!!誠実じゃ、ないっ!!」
「…別に俺達、『高岡』だとは言ってないけど??」
クスクスと笑われて理久は自分の仕出かしたミスに気付く。
顔を真っ赤にした理久は言葉を失い立ち尽くす。
(ど、うしよう…誠実…巻き込んじゃった…。)
クラスメイトの視線を浴びていた誠実はその重い腰を上げる。
そして理久の席まで行くと、理久を自分の腕に抱き込んだ。
包まれて半泣きだった理久の表情が周りから見えなくなる。
「…理久、俺は元々隠そうとは思ってない。」
「…でも…。」
「理久は、俺じゃ嫌?」
軽く指で顎を上げさせると誠実は微笑みながらおでこをコツンと合わせる。
理久は涙で滲んだ目を誠実に向けると小さく顔を横に振る。
「理久…泣くな。」
そのまま唇を奪おうと誠実が理久の顔を引き寄せる。
「こらこら、誠実、それにしたってお前ら場所わきまえろよ!」
壮介が呆れ顔で教室の古びた机に肘をつく。
「…もうバレてるんだ。それに可愛い恋人、自慢したっていいだろう?」
誠実は人目が気にならないのか理久の腰に手を回し頬擦りをする。
揶揄っていたクラスの生徒はそれを見て思わず笑い出す。
「高岡って意外に情熱的なのな!」
「…高岡くん、素敵ぃ…。」
2人の秘密の恋は、こうしてクラス公認の仲になってしまった。
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