アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16歳 嫌がらせ
-
「あー、理久ちゃんで良かったー。」
他の女に取られるより理久の方がいいと黄色い声を弾ませるクラスの女子。
そもそも誠実の微笑む様子など見たことはなかった。
それが王子の様な微笑みを理久にとはいえ送り、それを間近で拝めて満足げだった。
だが勿論受け入れられない人間もいる。
大抵が誠実に対して文句を言えず、比較的弱者の理久に嫌がらせを行った。
時には「ホモ野郎。」とすれ違い様罵られたり。
足を引っ掛けられたりと小さな実害も有った。
時には直接的な嫌がらせで困惑もした。
「ほら、彼氏に使ってもらえよー。それとも中出しされるほうが好きなの?」
ニヤニヤと理久にコンドームを握らせるのは別のクラスのいきがっている連中だ。
理久はその掌のゴムをマジマジと見る。
「…これ、何?」
「ッマジで生派なんだー。理久ちゃん、やべー。中出しされて孕んじゃうぜぇ。」
初めて手にしたそれが性行為に使うものだとわかり、理久がカッとなってコンドームを投げつけようと手を振り上げる。
するとやんわりと理久の手は誠実によって降ろされた。
「ムキになるな。理久。」
後ろからギュッと抱きしめると理久の首にキスを施した。
掌を開けさせてゴムを取り上げると小さな重低音で「ふぅん。」と笑う。
「…な、何だよ。」
誠実の気迫に押され気味の連中は少し身じろぐ。
誠実は尻ポケットの財布から同じようにコンドームを取り出す。
「…俺、これじゃ入らない。今度から理久に渡すならこのサイズにして。」
そして2つになったコンドームを突っ返す。
XLと書かれた巨大なそれは最初に渡されたものと比べ圧巻だった。
一歩も二歩も上手の誠実はそのまま理久を抱き上げると教室の窓際に座り理久の髪を撫でる。
クスクスと何処からともなく嘲笑が聞こえ、連中は気まずそうに教室を後にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 563