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16歳 団欒
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夕食は少々食べ過ぎてしまった。
瑠実の作る食事はどれも美味しくて、和食なのに色も鮮やかだった。
食器洗いを手伝わせてもらえて安心した。
何もせず夏の間置いてもらうのは心苦しくて、滞在費には到底ならないがせめて食費を。と封筒を出した。
でも一切受け取ってもらえなかった。
だからお客様扱いされないのがとても嬉しい。
それに意外に料理上手な誠実が見れた。
食後に包丁で器用に果物を剥く誠実、何だか心が温かくなる。
「誠実、上手なんだね。」
感心して理久が手元を覗き込むと誠実がふふっと笑って言った。
「…小さい頃から姉に虐げられてきたら、嫌でもこうなるよ。」
「…そっか。」
一家団欒。
兄弟がいなかった理久にはぎこちないがとても幸せな時間だった。
遠慮のない姉たちの言葉も楽しい。
…楽しい。はずだった。
「理久ちゃん、可愛いー。今日お姉ちゃんと一緒に寝よー?」
「一緒にお風呂入る??」
とにかく…弄られっぱなしの理久は心労で泥のようにぐったりと眠った。
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