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16歳 理解ある母親
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明朝、普段通りに父との朝練をこなし、シャワー後に誠実がキッチンに向かうと瑠実が味見をしていた。
「…理久こっちに来てた?」
ベッドに不在だった理久はどうやら姉たちを起こしに行っているらしい。
「今日のお味噌汁、理久ちゃんが作ったのよ。」
誠実の母がニコニコとお味噌汁を小さなお皿に取り味見を勧める。
「へぇ、俺の好きな具だ…。」
誠実が嬉しそうに鍋を覗き、顔を緩める。
こくんと一口含んで味わう。
「ね、美味しいでしょ、いつでもお婿さんに貰えるわね。」
「え・・・?」
驚いた表情の誠実が顔を上げる。
「だって…理久ちゃんは誠実の彼氏でしょ?違うの?」
「なんでそれを…。」
「だって、電話で言ってたでしょ?大切な子連れて帰るって。」
「…大切な親友って言ったはずだけど…?」
「あら、でもただのお友達ならあんな風にシーツ汚さないでしょ?」
どこまで見たのか部屋の角に丸めておいた昨晩のシーツの件だとわかり誠実が言葉を失う。
母はにっこり笑うとお椀に味噌汁を注ぐ。
「理久ちゃんは、いい子ね。」
「…うん、凄くね。」
母とこんなに穏やかに話せたのはどれくらいぶりだろう。
「…理久に、優しくしてくれてありがとう。認めてくれてありがとう。」
母は目元を綻ばせると朝食の支度を続けた。
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