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16歳 一番になりたい
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バスに乗って2人は出かけた。
部屋に戻ると誠実に見つかり捕まってしまうかもしれない、補導される覚悟で制服のままだ。
バスの中でも理久は上の空で、バスからの車窓を眺める。
バスに乗り込む人間は少ない。
最後部の座席に並んで腰掛けていると、理久が重い口を開きポソリと呟く。
「誠実ね…一度寝たら起きない派なんだ。」
「あぁ??」
脈絡なく話を切り出す理久に壮介は眉を顰める。
「なのにね…最近夜中に起きてベッドから出るんだ。1人で抜くのに…。」
「…。」
「我慢…しかさせてないんだ、俺。迷惑ばかりで…何もさせてあげられていない。」
「…理久。」
「それに、俺はね、もう二桁目なんだって。」
「…え?」
「誠実の中学の同級生が4組にいるじゃん?女性遍歴聞いちゃってー。
初めてじゃないのはわかってたんだけどね…でも、俺の知らない誠実の身体を10数人は知ってるんだ。
…はは、やっぱりちょっとへこんだぁ…。」
自嘲的な笑いを浮かべるが瞳からはポロリポロリと大粒の雫が零れ落ちる。
「…俺は、誠実の…一番になりたい…。一番誠実を知ってる人間に、なりたい…。」
制服のチェック柄のスラックスが水滴を染み込ませる。
膝の部分をギュウッと握る理久の手を見て壮介が理久の肩に手を回した。
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