アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16歳 心配
-
寮に戻るとどっぷりと夜になっていた。
すっかり眠ってしまっていた理久が目を擦りながら寮の目の前のバス停に降り立つと最愛の人間がそこで待っていた。
寮の外壁に凭れ掛かり、明らかに不機嫌そうな表情に理久は一瞬にして目を覚ます。
「…た、ただいま…。」
「お帰り、電話も出ずに何処行ってたの…。」
誠実はいつもの冷静な口調だったが、それがかえって怖かった。
慌てて携帯のディスプレイを見ると着信件数7件と出た。
勿論全て誠実からだ。
「っ、ごめん…バスの中で、寝てた…。」
「…。」
誠実が深い溜め息を吐くと理久を自分に引き寄せる。
「誠実………?」
「…心配させるな。」
痛いほどに抱きしめられてその声が少しくぐもっているのに気づく。
「…誠実、ごめんなさい…。」
肩甲骨から肩にかけて腕を回すと人目を憚らずに理久も抱き返す。
「…ごめんね。」
理久がそっと身体を離し、誠実の頬にキスする。
誠実が安心したように再度理久の肩に頭を埋めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 563