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俺が俺でいた昨日
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洗面所を教えてもらって顔を洗うと良い匂いが腹を刺激した。あまり食事をとっていなかったのだろうか。
匂いにつられてリビングに行けば、テーブルの上に美味しそうな朝食が並んでいた。さあ食べようかと微笑む会長に欠点はないのだろうかと羨んだが、性格が歪んでいることを思い出した。会長に告白した俺はこいつの性格を知らなかったのだろう。知っていたら絶対に好きにならない。男同士だということはもはやスルーだ。
なんて失礼なことを思いながら椅子に座って食べ始めた俺をにやにやと見つめる会長。食べにくいことこの上ない。食べないのか、と聞けば美味しい?と逆に聞かれてしまった。美味しいと素直に言えばそっかと笑って会長も食べ始める。…一体何なんだ。
食事も終わりそろそろ自分の部屋に帰ろうと思い部屋番号を聞くと知らない、と言われた。自分の恋人の部屋番号も知らないなんてやはりこいつは俺のことが好きではないのだろう。ならば寮監に聞こうと会長の部屋を出ようとすると、何故かまた抱きしめられた。 ずっと俺の部屋にいればいいじゃんなんて甘い声で囁かれても今の俺は1ミリもときめかない。嘘。ちょっとドキッとした。
意味がわからない。最初は俺を殴る蹴るして立場を思い知らせてやるなんて上から目線だったくせに、今は恋人にするみたいに接してくる。
こいつは何故、俺が記憶を失っていると知った途端に態度を変えたんだろう。
…俺は昨日まで、こいつの何だったんだろう。
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