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フジside
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フ「んっ……」
俺が目を覚ますと、そこは白い壁にクリーム色のフローリングのシンプルな部屋だった。
何となく何処かで見たことがあるような気がする…
何処で見たんだろう……
フ「此処、どこ……」
辺りを見回すが、ほかの皆はいなかった。
でも、多分どこかにいるはず。
無駄に広い部屋に1人…寂しいなぁ……
フ「取り敢えず、探しにいかなきゃ」
俺は立ち上がり、部屋を出ようとする。
すると、さっきまで誰もいなかった筈なのに、後から声がした。
?「ヤット、やっと、ミツけた」
フ「っ!?」
振り返っても誰も居ない。
声だけが部屋に響く。
?「キミは、エラバレタ。キミのそのチカラがアレバ、ボクはカンゼンにナレル。」
少し片言な少年らしき声。
言っていることの意味がよく分からない……
とにかく、声の主を見つけないと…
フ「だ、誰?何処に居るの…?」
すると目の前に光が集まり、少年らしき人物が姿を現した。
身長は、俺より頭2つ分ぐらい低く、白いワイシャツに白いズボンをはいている。
前髪で目を隠していて、顔はよく分からない。
?「チョウダイ、ちょうだい」
フ「君は誰…?それに、ちょうだいって何を…」
?「ボクはダレでもない。フカンゼンなモノ」
相変わらず言っていることはよく分からない。
もしかして、この子もこの世界に迷い込んだのか?
でも妙に落ち着いているし、さっきの現われ方を見ると、違う気がする…
そして何となくだけど…危険な気がする
フ「お、俺、他の人達探さないといけないから、もう行くね?」
俺は危険を感じ、その場を去ろうとする。
すると、その子の今まで明るめだった声のトーンが一気に暗くなる。
?「にげるの?ニゲるの?ニゲルノ?」
フ「っ…?」
?「ニゲられる?ニゲラレル?」
段々と部屋の空気が重く冷たくなる。
立っているのがやっとなほどの威圧感を放つその子は、前髪の隙間から見える、血のように真っ赤な目で俺を見つめる。
そして、ニタリと笑い右手を振り上げた。
その途端、少年が現れた時と同じように光が集まり、青鬼が現れた。
フ「!!」
そうだ…どこかで見たことのある部屋だと思ったら、青鬼だ……
突然、青鬼が片腕を振りあげ、俺に向かって振り下ろす。
フ「わあぁあぁっ!!」
間一髪のところでそれをかわす。
はやく逃げないと…!
俺は勢いよく部屋の外へ飛び出し、廊下を走り抜ける。
するとすぐに青鬼が後を追ってくる。
階段を駆け下り、とにかく逃げる。
だが予想以上に青鬼の脚が速い。
フ「はぁ、はぁ、これじゃ、埒が明かない…!」
やみくもに走っても、途中で体力がなくなり追いつかれるだけだ。
どうにかして巻かないと…
だけど俺はこの館の構造を理解していない。
フ「っ!行き止まり…!」
運悪く、俺は行き止まりに来てしまった。
振り向けば青鬼がまだ追ってきている。
それに通路はあまり広くない。
つまり逃げ場は無い。
気づけば青鬼はすぐ側に来ていた。
青鬼が手を振りあげる……
フ「っ…!みんな……ごめん………」
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