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戦い
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フ?「じゃあ、キヨに1回だけチャンスをあげるよ」
キ「チャンス…?」
すると、俺の目の前に剣が現れた。
フ?「俺に勝てたら、考え直してあげる」
いつの間にか偽者も剣を持っている。
これで戦えって事か…
まるでゲームのようだ。
だけどこれは現実。
殺られたらすべて終わり…
俺は剣を手に取り、偽者に向ける。
キ「こーすけとヒラは下がってろ」
ヒ「キヨ…」
こ「無茶すんなよ…」
2人を安全なところまで下がらせ、戦闘態勢にはいる。
相手は心底自信があるようで、ずっとニヤニヤしている。
すると、また彼の声が聞こえた。
みんなを見るが、なんの反応もしていない。
この声は俺にしか聞こえていないようだ。
『キヨ、聞こえる?聞こえてたら、心の中で返事して…』
キ「!」(フジ…だよな)
フ『うん、心配かけてごめんね。』
キ(…そんなの気にすんな)
フ『ごめん………キヨ、その子には気をつけて』
キ(わかってる)
フジと会話をしていると、偽者は早くしろと言わんばかりに剣を俺に向ける。
フ?「覚悟はできた?」
キ「あぁ」
そう答えると偽者が指を鳴らす。
すると、俺と偽者のまわりに半透明な壁ができ、こーすけたちと完全に分断されてしまった。
2人が何かを言っているが、声すら壁に阻まれる。
フ?「安心してよ、あの2人には何もしないから」
キ「本当だろうな…」
フ?「本当だよ。彼らがいなきゃ意味が無いからね。もちろん、君もね」
そう言ってニタリと笑い、俺に向かって剣を振り下ろす。
それを横に飛び避ける。
剣なんて使ったこともないけど、不思議と手に馴染む。
偽者との間合いを一気に縮め、剣を振り上げる。
軽々とかわされたが、そのまま勢いに任せて蹴りを入れる。
たが、またかわされてしまった。
キ「っ!」
フ?「なかなかやるね…でも……」
さっきまで目の前にいた偽者が、急に姿を消した。
慌ててまわりをみるがヤツはいない。
すると背後から足音が聞こえた。
後ろを振り向くと、剣を構えたヤツがいた。
瞬間移動ができるのか…
フ?「これだとそう簡単にはいかないよねぇ」
ヤツは半笑いで俺を挑発して来る。
こんなヤツに負けてたまるか…!
ヤツに出来るだけ接近し剣を振るうが、いとも簡単に避けられてしまう。
段々と俺の体力は削られていく。
フ?「あれ、もう終わり?」
キ「…くっ……」
ヤツは余裕の表情で俺に剣を向けてくるが、俺はもう体力の限界が近づいている。
足も腕も思うように動いてくれない。
立っていられなくなり、膝から崩れるように座り込む。
フ?「あーあ、もう無理かな」
そう言いながら、動けない俺に段々と近づいてくる。
反撃しようにも体が言うことを聞いてくれず、ただ睨むことしかできない。
するとヤツはニヤリと笑い、俺を蹴り飛ばす。
そして俺の首に剣を突き立てる。
フ?「別に殺すわけじゃないけと…何か言い残すことはある? 今なら彼…フジだっけ?聞いてるかもよ?」
キ「…アイツは…死んでなんかねぇよ……」
フ?「まだそんな事を…」
俺は精一杯偽者を睨んだ。
相変わらず俺の体はちっとも動いてくれない。
そんな事はお構いなしに、偽者は剣を高く振り上げる。
全てを覚悟し、目を瞑る。
微かに、こーすけとヒラの叫び声が聞こえた。
ごめん…ごめんな……
フ?「…じゃあね」
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