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感謝、感激、雨降られ
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「酷いなこれ……」
部活帰り。土砂降りの空を見上げて瀬見さんが呟く。
瀬見さんの言うように外は酷い雨で、雨粒は大きくて重たい。先程手をかざしただけで、ボツ、と言うと衝撃が来た。ずっと当たっていれば痛みすら覚えそうだ。
「はぁ……」
俺は一つため息を着いてから教科書類が少しでも濡れないようにとジャージを鞄に巻き付ける。
「?何してんだ?」
それを見ていたらしい瀬見さんが不思議そうに近づいてきて、行動の意味を説明すると、瀬見さんはため息を吐く。
「白布お前なぁ……」
「……なんですか。妙な所で切らないで下さいよ」
そうやって何処か心配したような声色で話しかけてくる瀬見さんをカッコいいと思ってしまった自分にムッとしながら、また可愛いげのない言葉を出す。
「ほら。一回俺んとここい。寮だからお前よりは家近いし傘とか貸してやるよ」
バサッと掛けられた制服の上着にビクッとして、落ちそうになったそれを掴む。
「これ制服じゃないですか。使えませ……」
「先輩命令。」
向けられた笑顔とふいに頭に感じた暖かさに撫でられたのだと知れば顔を反らす。
すると「なんだよ」なんて言いながら瀬見さんは顔を覗き込んでくる。パチッと合った目に顔を赤くして「なんでもないです」と返すと、何処かこの人は満足気に笑う。
「瀬見さんこそなんなんですか……」
不服そうな声色で聞き返すも、やはり返ってくるのは「なんでもねぇよ」と言う言葉。はぁ、と溜め息を着いてから今の状況を再確認すると、あっさり瀬見さんに流れに乗せられてしまっていて。
「ほら、走んぞー」
そんなことを考えていると瀬見さんに背中を叩かれてハッとする。その頃もう走り出している背中を追いかける。
____________________to be continue.
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