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感謝、感激、雨降られ third story.
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脱衣所につき、手を服にかけるでもなく、顔を覆う。
「もう…俺っ……何を……!!」
カアアアア、と熱を持ってくる肌を直接手で感じながら、冷えている手の甲を、冷ますように押し付けた。
とりあえず火照った顔を風呂のせいにしようと肌にまとわりつく制服を脱ぎ、指定されていた籠に半ば放り投げるように入れる。
カラカラと音を立てて風呂場のドアを開くと暖かい空気が流れてくる。
何処か諦めたように、はぁ、とため息を吐いてからそこに足を踏み入れる。
それから30分程度入っただろうか。用意されていた服を着てリビングへ向かう。
「瀬見さん、ありがとうございま…………し…た……って……」
飛び込んできた光景に、はぁ、とため息を吐く。瀬見さんは濡れた服は着替えているものの、髪の毛が濡れたまま壁によしかかって眠っている。メールの返信でも打っていた所だったのか、もうスリープモードになっているスマホが足元に落ちている。
「瀬見さん、風邪引きますよ。起きてください。」
「ん……」
体を揺さぶるも、その一音を発するだけで、他に反応はない。
「瀬見さん!」
「ん……ぅ……んん……」
声を少し大きくして肩を叩くと気づいたようで、一つ小さな欠伸をしてから薄く開いた目を此方に向けてくる。
「こんなとこで寝てたら風邪引きま……」
「しらぶ……」
俺の言葉を遮って譫言のように呟いた相手の声を聞き取ろうと体を前にのりだそうとしたとき。
「う、わ!?」
瀬見さんは寝ぼけているというのに強い力で俺を引っ張る。あっさりと負けてしまい体制を崩した俺に待っていたのは、軽く回る視界に軽い衝撃と暖かさ。それから首筋に感じる擽ったさ。
「ん…あったかい……」
耳許から聞こえる何処か甘えたような声にブワッと顔が熱くなる。今俺はどうやらあぐらをかいた瀬見さんの上に座って後ろから抱き付かれているようだった。すっぽりと収まっているせいで体温が伝わってきて、心臓がだんだんうるさくなっていく。
「せ、瀬見、さんっ……ちゃんと、おきてください…!」
「起きてるよ」
急にはっきりした声にまた心臓が跳ね上がる。なにもかもわかっているかのような声。抱きついていた手が、俺の胸……丁度心臓がある辺りに乗せられる。
「すげぇドキドキしてるな?」
「っ……!?」
意地悪く。でも嬉しそうな声。顔は熱さを、心臓は激しさを増す一方で。声だけでここまで翻弄させられるのは初めてだ。
隠しきれない動揺にもう諦めながら、少し怒ったように言う。
「やっ、止めてください…!というか、起きたなら早く風呂に……」
「あ、心配してくれんの?」
しかしそれも効かないようで、ぐいっと後ろに下げられて顔を見られる。
「はは、顔真っ赤じゃん。」
「!?ああもう!良いから風呂入って来てくださいよ!!」
「やだ。」
「はぁ!?やだってな……」
ムキになって言葉を返していると、いきなり口が動かなくなる。
「っは……今日まだしてないから。ごちそーさん。」
瀬見さんはそう言うと立ち上がり、風呂場の方へ歩いて行く。
呆然としたまま、唇に残った感触と、さっきまですぐ近くにあった顔を思いだし、自分が何をされたのかに気づく。
「な、なんでいきなり…!!」
「あ、白布」
「話聞いてくださいよ!」
「__________な。」
「え?」
上手く言葉が頭に馴染まず、つい聞き返すと、瀬見さんはにやっと笑って手を振り、リビングから姿を消す。それから少しして言葉を理解すると、ただでさえ熱い顔が、もう手をかざしただけで熱気が伝わってくるんじゃないかと言うほど熱を帯びる。
「何言ってんですか!!」
『続きは後でな。』
end. Thank you for reading….
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