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Whith do you love? Part1
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時 12月半ば 場 白鳥沢学園男子生徒寮
俺、白布賢二郎は、出禁を食らわせて欲しい人物が二人ほどいる。
「ああ、白布、おはよ。メシできてんぞ。」
「はよ、白布。コーヒー飲むか?」
「……………………………………いいかげんにしろよあんたら。」
味噌汁と箸をもって振り向いて言ってくる瀬見さんとコーヒーカップを片手にベッドに背中を預けてテレビを見ていた太一。
「またまた。さびしいくせに。」
「ちょっと太一。お前の手にちょうどいい熱湯あるんだけど」
「なにする気だよ!? これコーヒーだから! 確かに熱いけど熱湯ではないから!」
「なんだっけこういうの。ツンデレ?」
「瀬見さんもいいかんじに熱いのもってますよね。」
「なにする気!?」
これは遡ること数週間。俺は最悪な場面にでくわした。
『俺は白布が好きなので。瀬見さんには渡しませんよ』
『こっちの台詞だ。覚悟しとけよ』
少女漫画に出てきそうなその雰囲気は、二人とも男前ではあった。……あったが。
『…………あんたらそれを本人の目の前でやるか。』
俺の目の前。俺の部屋の中。シチュエーションがまずおかしい。こういうのもうちょっとムードってもんがあるだろ。俺のいないところでやれよ。
そんな意見をぶつけようとすると、直後、
『『しばらく泊めて貰うわ』』
火花を散らしていた二人が不意に此方を向いて打ち合わせでもしていたかのように告げてきたのだ。
結果こいつらはずっと入り浸っている。
「あー、もう時間だ。バイト行ってきまーす」
今日は日曜日。生憎部活は体育館の修理で休みだ。その修理期間中太一はバイトを入れている。いや別にこんなの知りたくもないし勝手に情報が入ってくるだけなんだが。
「じゃああとでな。」
「っ…………!!」
太一はそう言うと俺の頭に手を乗せてきた。
これは何も狙っていないらしいのに尚更腹が立つ。
「いっそのこと死ね……!!」
「何で!?」
若干落ち込んだようにバイトに行った太一を目だけで見送ってから、ようやっとベッドから下りて床に座る。
「おい」
長い溜め息を吐いて熱くなる顔を隠すようにうずくまった。そこに瀬見さんが声を掛けてきて、チラリと視線を向ける。
「なん……」
「俺と二人きりなのに川西で顔赤くしてんじゃねぇよ」
引き寄せられて耳許に当てられた息と低い音に心臓が跳ねる。
「や、めて下さい!」
囁かれた耳をおさえながらキッと睨み付けるも、いとおしげに微笑まれる。
「顔真っ赤だぞ?」
「や、ち、ちが……こ、これはっ…!!」
何か言い訳をしようと否定するものの上手く言葉が思い付かない。
「はは、悪かったって。ほら。飯食えよ。冷めるぞ?」
それを見た瀬見さんはにっと笑って家庭的な料理を指差す。まるで何事もなかったかのように振る舞ってテレビを見ながら箸を進めていく。
「…はい……」
どこか負けた気になってから、味噌汁を口に運んだ。
上手い、と思うが、それを瀬見さんが作った物だと思うと今素直に言うのは少し悔しくて、むっとしたまま食事を進める。
「……何かちょっと濃いな…」
どこか納得の行かなそうな瀬見さんに気付かないふりをしてふてくされながら食事を進める。料理人か何かを志望しているのだろうか。はたまたストイック……止めよう誉めたくない
「あ、そうだ。…ん」
食事を終えたらしい瀬見さんが紙袋を差し出して来る。
「何ですか」
「いいのあったからやるよ」
「スミマセンちょっと意味が」
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