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また月曜日
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「おはよう。」
月曜日会社に行くと何故か不機嫌な大野がいた。
「おはよう。どうした?」
「昨日さ、秘書課の女子と出掛けたんだけどさ。見事に玉砕。そもそも俺は尾上の当て馬だったってわけ。更に途中で体調悪いって言い出して尾上が帰ったもんだから。女性軍はシラケちゃって、俺の立場はどうなるのって・・・。」
奏太は俺の顔を潰さない為に行ったと言っていただけだと。確かにそれだけだったようだ。
「そうか。悪かったな。」
俺が大野に謝った瞬間に後ろから声をかけられて驚いた。
「なんで、瑞樹が謝るの。」
え?奏太?奏太の声がする。振り返ると、奏太がそこに立っていた。
「お前、何してんの・・・。」
営業部のフロアにいるはずがないのに。
「あ、大野さん。昨日はすみませんでした。もうすっかり元気になりましたので、ご迷惑をおかけしました。」
そうか、大野に謝りに来ただけか。何を俺は焦ってしまっているんだ。
「それと、瑞樹にも昨日は迷惑かけたよね。体調大丈夫?昨夜は、かなり酔っていたみたいだけれど。」
「何?お前ら昨日の夜飲んでたの?具合大丈夫だったのか?」
「ええ、夜ちょっと飲みたくなって。」
「そうなのか?なんだよ、木村。俺を誘わずに?全くつれないなあ。お前ら単なる同級生って言ってなかったっけ。仲良いじゃん。」
「単なる同級生・・・。そう瑞樹は言ってたんだ。へえ。まあ、そう言えばそうですかね。結構仲が良かったと思っていたのは俺だけだったみたいですね。」
なんで奏太は、こんな頭痛の種を蒔いているんだろう。
「そろそろ始業時間だから、デスクもどるね。じゃあ、瑞樹また。」
そう言って奏太はさっさと、エレベーターホールへと向かって行こうとする。
「待って。」
慌てて奏太を追いかける。
「何?大野さんおいてきていいの?」
「え?大野?なんで?」
小声で奏太が、「やっぱり関係ないのか。」と、独り言をいうのが聞こえた。
「で、何の用?」
「あのさ、昨日の夜・・・。まさか。」
「何を気にしているの。会社で話したいの?聞きたい?」
「いや、その。」
「瑞樹はどっちがいい?何かあったって言って欲しいの?それとも何もなかったと行って欲しいの?聞きたい答えをあげるよ。」
俺の聞きたい答え・・・それってどっちなんだろう。と、言うより事実はどうなんだ。
エレベーターのドアが開いて、奏太は「後で」と俺に言い残してその箱の中に飲み込まれていった。
「後でって・・・。」
「木村!電話。外線3番。藤銀行の佐藤さん。」
大野に呼び戻されて、落ち着かないままデスクへと戻った。
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