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言い訳けの月曜日
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出社したものの瑞樹の様子が気になってしかたなかった。大野さんに日曜日の非礼を詫びるだけ。
・・・それだけ。
誰にともなくそう言い訳しながら五階の瑞樹のいるフロアに向かう。
顔を見た瞬間にギュッと背中側から胃を引っ張られたような感じがした。瑞樹が普通に出社しているのを見て安心する。
なぜ四年間も連絡をくれなかったのか。瑞樹にそう言われた。
この四年間は自己精算と自己研鑽の時間だった。もう瑞樹を傷つたくない、そして卑下したくないから。途中で、なし崩しになるのだけは避けたかった。
同じ場所に立てるという自信ができたら、そしてその時に同じ気持ちで逢えたら。
そう。・・・賭けだった。
離れている間に瑞樹に他に好きな人ができたら、そこまでの関係だったと割り切れると思っていた。それなのに心が凍る。
賭けに負けただけ。それだけのこと。
俺との生産性のない関係より、家庭を持てる相手が見つかったのならばそのほうがいい。頭ではわかっている。飲み込んだ思いが逆流して苦さだけが、残っている。
単なる同級生と言われて、一瞬、喉の奥がチリリとした
「単なる同級生。へえ。まあ、そう言えばそうですかね。結構仲が良かったと思っていたのは俺だけだったみたいですね。」
そう言い捨ててみる。瑞樹が困った顔をするのを見て少しだけ意地悪な自分がそこにいることに驚いた。俺ってこんなやつだったっけ。
このままじゃ情けない。そう思ってデスクへ戻ろうとする俺を瑞樹が追ってきた。瑞樹の心配はひとつだけ、昨日何もなかったのか知りたいのだろう。
何もなかったよと言えば済むこと。それなのになぜか苛立ちが募って何も言えなくなる。
「後で」と、逃げを打つ。それが何も解決しないことは自分が一番わかっているはずなのに。
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