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俺は、書斎の椅子に座ると『戦姫乙女ヴァルキリア』の続きを読んだ。
ん?ここって!
“あともう少しで、天空の国が完成というところで、私と弟の追っ手が来た。数千の人とともに……ジーク様は、「主は地下に隠れていろ」と言ってくださった。
弟のカイは、私と一緒に地下には来ずに、上で戦っていた。
上からは、色々な人たちの雄叫びが聞こえてくる。押されているのは、アーシリアの方だった。見なくてもわかる。
私は、懐から、鉄扇を2本出すと、勢いよく外に出た。そして、私と弟を追いかけてきた追っ手に、鉄扇で攻撃した。何分舞っていたか覚えてはおりませんが、ジーク様が、近くに来て、「流石我の妻だ」と言ってくださったことに感動したことは、覚えております。
そして、異名をつけてくださった。『戦姫乙女ヴァルキリア』”
ふっ、だからあのとき……
ヴァルキリアは、ジークフリンがつけたカグヤ様の異名だったのか。戦艦ヴァルキリアの名前は、ジークフリンがつけたのだ。
たしか、当時のアーシリア族に伝わる美しく戦場を舞って仲間を癒す戦の女神、ヴァルキリアだったか?
セツナ「ジン、君も可愛いことするな」
ジン「っ!?」
ん?
セツナ「いたのか」
ジン「我は、主と一緒だ。前世の記憶を思い出したのか?」
ジンは、実体化すると下に俯きながら、聞いてきた。
セツナ「俺の前世は、高ノ宮龍一だろ?気付いていたのか?」
ジン「容姿が龍一と似ておる」
俺の頬に手を添えながら言った。
まるで、違う意味で愛おしい人が帰ってきたかのように……
セツナ「カグヤ様とカリさんも似てるな。君が言った通りだった。
あっ、そう言えば、これを書庫で見つけたのだが、カグヤの著書で合っているか?それと、こっちは騎士団の名簿らしいのだが……」
ジン「これは!?世界で一冊しかないカグヤの著書だ。
それと、これは……バイエル国に攻めるときの決意表みたいなものだ。
参加した者の名前が書かれている」
参加した人の名前がねぇ……と思いながら、ペラペラとめくった。しかし、ある名前を見て、固まった。
“隊長、クワイ・スュバルツ”
ただの偶然か?いや、ただの偶然にしては…
ジン「クワイか…たしか、陽一の親戚だったような……」
陽一の親戚?
偶然にしては出来すぎてるような気しかしないな。
クワイは、前世で陽一の親戚、後世では、サンシャの弟?
なんか、嫌な予感がする。
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