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その後
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遥と別れ部屋に戻ると、ベッドに座り外を眺めている櫂がいた。
「何じゃ起きたのか?」
ゆっくりと視線を雛に向け見つめてくる。
「雛…来て」
心なしか櫂の声が揺れている。雛は、黙って櫂の隣に座る。すると、雛の右手の上に手を重ねてきた。
「起きたらいないから…びっくりしたよ」
ふふっと力なく笑う櫂。それが痛々しくてしょうがない。
「お主の兄にわしが取られたのかと思って悲しかったんじゃろ?」
「…っ…そうだね」
「っ!?」
雛の冗談に肯定されると思わなくて拍子抜けする。
「遥からお主のことを頼まれた。家の事情の事も聞いた」
「…そう…」
「良い友達を持ったな。あそこまで他人の事を思える奴はおらんぞ。大切にするんじゃぞ?」
「わかってる…」
「わしは、お主の兄のところに行ったりはせん。暫く見守る事に決めた。じゃから、そんな顔するでない。ナンバーフォーの名が廃れるぞ?」
「ふふ…うるさいなー。…約束だよ。俺のこと死ぬまで見守ってね?死ぬまで近くにいてね?」
雛の右手をとると口元へ持って行き指先にキスしてきた。
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