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fjky【死ネタ】
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※シリアス注意です。
キヨsaid
フジは死んだ。
がんだったんだ。それに俺は気づけなかった。いや、もしかしたら気づいていたのかもしれない。
今からその話をしよう。
最初は些細な変化だった。
フジと俺の2人でいた時にフジがずっと1人で何かを喋ってた。
そして俺が話かけると思い出したかのように、喋るのを辞める。
俺がどうかしたかと聞くと、え?何も無いよー?とはぐらかされる。
その時の俺は余り聞き出してもあれだしまた変になったらでいいか。ってそんな事を思っていた。
1週間くらいたったとき、いきなりフジとの連絡がつかなくなった。
ヒラたちに聞いたらヒラたちも連絡がつかなかったらしい。
俺は心配になってフジの家に行ったけどフジは家にいなかった。
その時は本当に泣きそうなくらい怖かった。
大切な人がいなくなる。そんなの嫌だった。
俺はフジを探し回った。フジの行きそうな場所、俺とフジがよく行った場所…いろいろ回った。
だけどフジはいなかった。
スマホに連絡が来てないか見てみるとヒラから連絡がきていた。
フジが見つかったって。その文字を見た時に俺はヒラの家に走り出していた。
転けそうになっても、疲れても、立ち止まらずに走った。そしてヒラの家に着いた。
俺はチャイムも押さずにヒラの家に入った。
そして、フジに会ったとき、心から安心した。
安心すると、睡魔が襲ってきてフジに話を聞く前に寝てしまった。
朝起きて、周りを見渡すと隣にフジが寝ていて…もう、それだけで嬉しかった。
でも、俺はフジを起こして話を聞いた。
すると、フジは悲しそうな顔をして何でもない、大丈夫だべ?って俺には何も話そうとしなかった。
その時はそれに対してすげー怒ったけど、今思い返してみると俺の事思ってくれてたんだって事がわかった。
ある時、フジが最俺のメンバーで出掛けたいって言い出した。
みんな反対して、押しの弱いフジは悲しそうにじゃあゲームしよっか!
って言ってみんなでゲームをした。
あの時はどうしていきなりそんなこと言い出したんだろうと思ってたけど、今やっと、フジのやりたかった理由がわかった。
そして、俺はフジと別れた。
正確に言えばフジに別れさせられた。
フジに別れようって言われた時は反対した。
俺はフジが好きだったから、フジも俺のことが好きだって思ってたから…
だから、フジに別れようって言われた時は泣きながら怒ったと思う。
多分俺は泣きつかれて寝てたんだ。
朝起きるとベットで寝ていて、フジはいなかった。
その代わり、フジに渡した合鍵が机の上にあった。
それを見て昨日のことを思い出してまた泣いた。
どれくらい泣いたのかはわからないけど、家にこーすけが来たのは覚えている。
家に入ってきたこーすけはすげぇ驚いてた。
俺が理由を話すと優しく接してくれて、それでまた涙がでた。
その日はこーすけがずっと一緒にいてくれた。
フジと別れた俺はこーすけすらもフジに見えていて、気がついたらこーすけに抱かれていた。
その時は純粋にこーすけが怖かった。
ずっとフジだと思ってた人物がこーすけだった。
だけど、その日はこーすけとフジを重ね合わせて我慢した。フジ以外に抱かれたくはなかった。だけど、俺はもう振られたんだってわかるともうどうでも良かった。
そして次の日、俺とこーすけは付き合った。
最後はフジが死んだ日。
昼間、俺が動画の編集をしていると電話がなった。
こんな時間に誰だろう。と思って画面を見るとフジのお母さんで、無性に心配になって急いで電話にでた。電話の内容は、フジのお母さんが泣きながら言ってくれた、病院に来てくれという一言だった。
それだけで何があったかわかった俺は急いで病院に向かった。
病院に着いたのは夕方だった。
フジのお母さんに教えてもらった病室に行くと、ヒラとこーすけ、フジのお母さん。
そして、動かなくなったフジがいた。
俺は冗談だと思いたくて、フジに近寄った。
そして、フジを起こした。なのにフジは起きてくれなくて…いつもみたいに、おはようって言ってキスをしてくれなくて…。
俺はみんなの前だって事も気にせずフジにキスをした。
こうすれば起きてくれると思った。
最後に笑顔を見たかった。
だって、最後にみたフジは悲しそうな顔をしてたから…。
だから、だから…せめて最後に笑ってくれよ…フジ…!
そんな俺の儚い思いも叶わずフジは眠り続けている。
涙なんて一切でなかった。
なんでかわからない。だけど、泣いたらダメな気がして泣かなかった。
フジの葬式の日になった。
これでフジに会えるのは最後。葬式が終わってフジを焼くことになった。だけど、やっぱり涙なんかでなかった。今日、家に帰るときに俺は自殺をするつもりだった。だけど、帰るときにフジのお母さんから1冊のノートを貰った。
フジから俺に渡してくれって頼まれたノートらしい。
俺は家に帰ってから無意識にページを開いていた。
"3月26日
今日から日記を書くことにした!
理由は、俺が病気になったから。
がんなんだって、俺。
もう、転移とかもたくさんあってもって1年って言われた。
もって1年かぁ。まだまだやりたいこといっぱいあるけど1番やりたい事は決まってる!
最俺メンバーで出掛けて思い出作ること!
叶うといいなぁ。"
そっか…あの日みんなで出掛けたいって言い出したの最後の思い出作りだったんだ…
俺らみんなで嫌がってゲームになったんだっけ…フジには悪いことしたな…
そして、パラパラとページを捲っていく。
"8月1日
入院することになった。
おもったより進行が早かったんだって。
まあ、外出とかはしてもいいみたい。
8月17日
最後にみんなで実況撮りたいな〜、まあ、予定が合わないから今は無理だけど…
9月17日
もう実況動画も撮れなくなりそうだから撮りだめを作った。
これを母さんに頼んで俺が死んでから最俺のメンバーとかに渡して適当に投稿してもらおう。
10月20日
あ、薬の副作用で髪抜けてきた…。
まあ、母さんにかつら作ってきてもらってるから大丈夫だけど!
11月3日
そろそろキヨに言わなきゃ…
でも、本当のこと言ったらきっと心配するから、別れようって言おう。
別れたくないけど、仕方ないよね…
12月25日
今日はクリスマスだった。でも、全く楽しくなかった。キヨと別れた。
こんな日に別れるなんて嫌だったけど、もう外に出ることが辛くて、キヨに別れようって言った。
反対されたけど、悲しんで欲しくなくてほぼ無理やり別れた。
1月1日
もう疲れた…。死にたい。
だけど、まだ死ねない。この日記にまだ書きたいこともあるはずだし…
1月19日
あー、キヨに会いたい。
みんなで実況撮りたい。
でも、体がダルくて動かない…
神様、これは俺への罰ですか?
1月27日
薬の副作用が最近また強くなってきた…。
残ってた髪も全部抜け落ちたし、吐き気がするしお腹も痛い。
やっぱり死にたいなぁ。
2月21日
今日咳き込んだ時に、一緒に血が出てきた。
それを見てもあまり驚かなかった。
逆にやっとかって思ったくらいだった。
やっと死ねるかもとか思った自分を殴りたい…
2月28日
あー…早くこの苦しみから開放されたい。
でも、最後にみんなに会いたいなぁ…
3月16日
わかんないけど、もう俺はもたないきがする。
声が聞こえてくるんだよね…こっちにおいで、住みやすいよって。
だから、みんなにメッセージを書きたいと思う。
まずはこーちゃん。
こーちゃんが一時期最俺にいなかったとき、俺が入ったんだったよね。
俺さ、こーちゃんが戻ってきたら実況辞めようと思ってたんだよ?
だけど、こーちゃんはお前はもう最俺のメンバーだろ?って言ってくれて嬉しかった。
それに、俺が悩んでる時とか真っ先にこーちゃんが気づいて相談に乗ってくれたよね。
そのおかげで溜め込むことも無かった。
本当に今までありがとうこーちゃん。
次にヒラ。
ヒラは俺が1人でいたら話しかけてくれたよね。
俺が傷ついた時は優しく笑って励ましてくれたよね。
初めてキヨ以外と実況撮った時の相手がヒラだったなぁ…。今も2人で実況とか出掛けたりしてたよね。
キヨに告白しろって言ったのもヒラだったっけ?
まあ、そのおかげでキヨと付き合えた。
ヒラには感謝してもしきれないなぁ。
それに、実況とかでたまにサイコパスぶってるけど凄い優しいんだよね。俺はどっちのヒラも好きだよ。今まで一緒にいてくれてありがとう。
最後にキヨ。
キヨには言いたいって言うか書きたいことがいっぱいあるけど、これだけは伝えます。
俺の分まで生きてください。
きっと自殺しようとおもってるでしょ?
そんなの俺が許さない。
キヨは幸せになって欲しい。
俺には無理だった。キヨを幸せに出来なかった。
だけど、キヨには幸せになって欲しい。
俺の事は忘れて、そして新しい彼女を作って…そして笑ってて欲しい。
だけど…やっぱり頭の片隅でもいい。俺がキヨを愛していたってことを忘れないで欲しい…って今更言っても意味無いか。だって、別れちゃったもんね。
キヨのこと泣かせちゃったから…俺にこんなことを言う資格はないのかもしれない。
でも…本当は別れたくなかった。一緒にいて欲しかった。副作用で血を吐いた時、本当は怖かった。
でも、誰にも迷惑をかけたくなくて…キヨの事を傷つけた。今思えば自分の事しか考えて無かったって事がわかった。
でも、本当にこれだけは忘れないで。
俺の分まで幸せになって、俺の分まで生きて、そして俺の分まで笑っててください。
ちゃんとおじいちゃんになるまで生きてから俺のところに来て欲しい。それでいいならまた会おう?
そろそろ起きてるのも辛くなって来た。最後にこれだけ書きたい……____"
最後の文は読めなかった。
だけど、あれだけでなかった涙が出てきて…
キヨ「ッ…くっ…ぅ…おぅ…ヒック…お、前の…ッ分まで!生きるから!グス…だから…だから…ぜッ…たい…っく…待ってろよ!」
泣きながらそう言うとどこからかフジのありがとうって声が聞こえた気がした__
end?
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