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ありがとう…
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『あんなことがあったんだもの
記憶が飛んだって仕方ないわよ…』
どこか遠くで女性の声が聞こえる。
誰か…助けて。フジ………
目を覚ました時周りの景色に
一切見覚えがなかった。
あのまま俺は倒れてフジとともに
病院へ運ばれたらしい。
フジは意識不明の重体。
いろいろと手を尽くしてくれたらしいが
フジはもう手遅れだった。
そんなことがあってから
俺は断片的にしか
記憶が思い出せなくなった。
フジとの楽しかった思い出は
なんとなく残っていた。
でもなにかとてもいいことがあったこと
フジが交通事故にあったことは
一切覚えていない。
これらも全て先生に教えてもらった。
そして今日俺は結婚をする。
それをフジに伝えようと思って
久しぶりにLINEを開いた。
最近になってやっとフジとの
思い出が全て思い出せてきた。
LINEはフジが死んでから
1度も開いていない。
『今はまだ開かないほうがいい』
先生にそう言われた。
でもこの報告だけは
1番にフジに伝えたい…!
『フジ。
久しぶりだな。
ごめんな。全然会いに来れなくて。
でもやっと思い出せたんだ。
だからお前に報告しようと思って
俺さ。今度結婚することになったよ。
相手の女性はすごく女性らしいんだ。
けど正義感があってフジみたいなやつだ。
俺は結婚するけどいつまでも忘れない。
愛してるから。』
それだけ書いて俺はフジのLINEを削除した。
もう、これで終わったからこれ以上未練はないから。
フジ本当にありがとう。
愛してる。
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