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兄弟の秘め事
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ま〜くんが帰る前は 寝たフリをすると決めている
火照った体を 早く治めたいから
コンコンとノックの音が響くも 何も答えないでいると
いつもの様にドアの開く音がした
返事しなくても開けるなら
その行為に意味はあるのかと毎回思う
「り〜つ♡」
「…出てってよ」
入口に背を向けていても 兄者が近付いて来るのが分かる
「衣更君 帰ったぞ⁇」
「…知ってるよ」
「お見送りくらいしたらどうじゃ⁇」
「…ウルサイな」
俺だって本当はしたい
でも…
「…今日も イッてないんじゃろ⁇」
「………」
ギシッとスプリングの音を立てて ベッドが軋み
後ろからま〜くんとは違う重量がのしかかる
「…お兄ちゃんが イカせてやるぞ⁇」
兄者が俺の髪を掬い 耳をペロッと舐める
「…ん…ぅ…」
昔から変わらない 兄者からの始まりの合図
裏切者に触れるなんて 嫌なハズなのに
仕込まれてしまった体が 期待に震え出す
「…や…さわ…るな…」
「ん〜⁇ でも凛月のココは もっとって言うとるぞ⁇」
ぐちゃぐちゃと上下に扱かれて 生理的な涙が流れた
俺の体から力が抜けたのが分かったのか仰向けに直され
両足を大きく開かされた
「…ちょ⁉︎」
何をしようとしているのかが分かって
兄者の額を押さえつけたが あっさりと外されてしまった
「り〜つ⁇ 恥じる事は無い
凛月だってお年頃なんじゃし
ちゃんと出さんと 体に毒じゃよ⁇
衣更君じゃ
我を忘れると吸い殺しそうで イケないんじゃろ⁇」
「…っ‼︎」
図星だった
ま〜くんから 所謂エナジーは貰えても
快楽を与えられたら 正気を失ってしまいそうで怖い
だから 少し痛いくらいじゃないと困る
だって ま〜くんが死んじゃう 俺が殺しちゃう
そんな事になったら 俺は自分を絶対に許せない
「んあ⁉︎」
油断していたら奥まで咥えられて情け無い声が出てしまい
慌てて口を塞いだ
そんな俺にはお構い無しで 兄者が更に吸い上げてくる
「…ふ…うぅ…」
気持ち良い…
頭が真っ白になる
『りっちゃん…』
先程のま〜くんの声が脳内に響く
枕に染み付いた残り香だけでも
頭が可笑しくなってしまいそうだった
「…ま…くん…」
卑猥な音が部屋に響き渡り
余裕なんて物が俺から無くなった頃
無意識に伸ばした手が
ま〜くんの髪質と違くて少しだけ冷静になれた
そんな俺の手を取った兄者と目が合ってしまい
俺のを舐め上げている顔に流石に恥ずかしくて顔を背けた
「…あ…にじゃ……で…る…」
「…ん…たっぷり出すんじゃよ⁇」
ブルッと体が震えて射精をすれば
ドッと疲れが押し寄せて来てそのままベッドに身を沈めた
「…凛月 風邪引かんようにの⁇」
自分でしておいてよく言うよ…
そうは思っても 裸体に掛けられた布団は気持ち良くて
それに素直に包まった
「…ねぇ 兄者」
「何じゃ⁇」
「兄者は…どうして平気なの⁇」
「ん⁇」
何考えてるか分からない胡散臭い笑顔
俺の頭に手を伸ばそうとしてきたので
それは流石に払いのけた
「…コーギーと…シテるんでしょ⁇」
「…ああ」
兄者は 先程俺が払い除けた手をさすりながら
遠くを見つめる様に目を細めた
「…アレが好きなのは我輩じゃなく朔間先輩じゃからのう
悪態をついてくれている間は
正気を保っていられるもんじゃ…」
「…ふ〜ん」
可哀想なコーギー…
お前が愛して止まない朔間先輩には
もう一生逢えないみたいだよ
「…大分夜も更けてきたのう」
兄者の言葉に 窓の外に目を移した
闇に染まる色は 俺の精神を安定させてくれる
「…用が済んだなら 出てってよ」
「はいはい」
端から見たらかなり酷い扱いではあるが
当の兄者本人は 何も気にする事無く
早々に部屋を出て行った
ドアが閉まったのを確認してから むくりと体を起こすと
机に置いてあった携帯に手を伸ばした
画面に表示された ま〜くんの名前に胸が鳴る
連絡をくれて嬉しい気持ちと拭いきれない罪悪感の狭間で
携帯を握り締める手に力が入る
しかし 内容を確認せずには居られず
画面を先に進めていくと
益々俺の胸は 締め付けられていった
“ 黙って帰ってごめんな
生徒会の仕事が溜まってて
今日中にやらなきゃいけない事があってさ
明日また迎えに行くからな おやすみ ”
堪らず携帯を抱き締め 少ししてから返信を打とうと
改めてメールを見た俺は 下に続きがあるのを発見した
その一文を読んだ俺の頬を温かいモノが伝って落ちていく
“ 次は 朝まで一緒にいような 大好きだよ りっちゃん ”
「…俺も好き」
大好きなま〜くん
大切なま〜くん
俺の所為で 苦しんでいるま〜くん
「…ごめんね」
吸血鬼の俺に好かれたま〜くんは不幸だよね
でも離してあげる事も出来なくて 本当にゴメン
「…ま〜くん」
明日また会ったら 普通に笑って おはよって言うんだ
そんな俺を許してほしい
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