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デクノボウの。
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「出久って書いてデクって読めるんだぜ!」
「すげえかっちゃん!漢字読めるの!」
出久って名前が嫌だった。
嫌いだった。
幼少時代に幼馴染みにそう言われ酷く傷ついた印象がある。
デクノボウのデク。
なんにもできないっていう意味だと幼い頃の僕は捉えていた。
それに対して幼馴染みのかっちゃんは爆豪勝己という個性に匹敵するくらい豪華で逞しい、華やかな名前。
かっちゃんは昔から何でも良く出来た。
勉強にスポーツ。人をまとめるのに長けてた。個性が出てからはそれが悪い方向へと流れていった事もあったけどずっと信念は変わらない。
トップヒーローになる。
眩しいほど真っ直ぐで単純。
その眩さに僕は霞んで見えた。
思わず目を細めて、瞬きをするあいだにかっちゃんはもう手の届かない所まで行っちゃったんだ。
僕の手では、決して届かない。
…届かないところへ。
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