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でくのくせに
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「麗日さん、おはようっ!」
「デクくん!おはよう~っ!」
………でくのクセに、いっちょ前に友達なんか作りやがって。
体育祭が終わったあたりから俺はおかしくなった。轟とデクの試合を見ていた時も感じた違和感。
アイツには人の心を動かす力がある。
何故かデクの周りには人が集まる。
それが俺には気に食わなかった。
……昔はずっと俺の背中にぴったりくっついていたくせに。
デクがだんだんと俺の囲いの中からいなくなっていくような気がして。
「……むかつく…」
ガタンッ!
「か、かっちゃん…っ?」
俺はむしゃくしゃしてこの行き場のない怒りを目の前の机を思い切り蹴って解消した。
周りのざわつくやつらにも腹が立つ。
こっちみんじゃねえよ。
「ばーくごーーー、なんだよお前、今日はやけにイライラしてんなあ!」
「き、きっりしまくん!今は…」
調子をこいて俺に軽く声をかけてきた切島を慌てて止めるデク。
…誰のせいでこんなにイライラしてると思ってるんだよ。
俺はこの胸の中の気持ちが何なのか、ずっと分からないでいる。デクをみるとイライラする。腹が立つ。
ガタッ、
「かっ、かっちゃん!?もうすぐ授業始まるよ!?」
無性にこの場にいたくなくなって、俺は教室を出た。今ばかりは授業をちゃんと聞ける気がしない。
教官からでくの焦る声が聞こえたが、それに振り向きもせず、俺は屋上を目指した。
___________体育祭からだ。
体育祭から、オレはおかしい。
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