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見知らぬ恋人2
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渾身の力で蹴られた。子どもの力と侮れないほどに、痛い。
「っ!…… 何すんの。痛いじゃないか!」
痛むすねをさすりながら、男の子に抗議する。
「勝手に引っ越してんじゃねぇよ! 探し回ったんだぞ。……おかげで、何回、サツの世話になったと思う?」
「サツって……警察のこと? ……キミ、何かしたの?」
「お前は天然か!」
盛大にため息をつかれる。大人びた口調が、癪に障った。
「保護に決まってんだろうが! ……小学一年のボウズが、学校帰りに街をうろついてんだから、当たり前だろ。……いまの親にもこっぴどく怒られたんだぞ!」
ものすごい勢いで捲し立てられ、たじたじになる。
おかげで、警察のことを『サツ』という言葉使いや『いまの親』という言葉を聞き流してしまった。
「あのボク。誰かと勘違いしてるんじゃない? キミと会うのは、今日が初めてなんだけど……」
「ボク、って言うな!」
また、すねを蹴られる。
「お前、本当に俺のこと忘れたのか、……玲?」
「……」
名前を呼ばれ、言葉を失う。
「キミ、誰?……なんで僕の名前知ってるの?」
男の子は、それには答えず。
「お前、自分の男の名前も忘れたのか?」
「自分のオトコの名前って……」
「 はやと、だよ」
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