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欲3
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「先生?」
「何?」
「次はどんな実験なの?」
「実験?」
「うん。僕の……たぶんS字結腸に、今お薬点滴してるんだよね?」
「あぁ、これね。これは実験の準備じゃないよ」
「えっ?」
先生は僕の頭を撫でる。
「これはね、アセナは今口から栄養を補給できないでしょ?だから、腸から栄養を投与しているんだよ」
「腸から……」
とうとう僕は口からご飯も食べれなくなっちゃったんだ。
「大丈夫。この実験が終わったら、また今までみたいにベッドサイドで俺と一緒に食事が出来るようになるから」
「そうなの?」
「そうだよ。だからもう少し、我慢しようね?」
「ねぇ先生。どうして直腸じゃなくてS字結腸なの?」
先生が僕の頭をポンポンと撫でた。
「アセナは頭がいいね」
僕は先生の言葉の意味がわからなくて首を傾げた。
「それはね、次の実験で直腸を使うからだよ。実験前に直腸に負担を掛けるわけにはいかないからね。その先のS字結腸から摂取する方法に変更したんだ」
「そ、そうなんだ……」
「どう?まだ痛むかい?」
「ううん、痛くはないけど、お薬か落ちる度に僕の腸壁が動くような感覚があって……気持ち悪い」
「そうか、じゃあ、もう少し落とす速度を遅くしようね」
先生はメモリの数値を下げていく。
「どう?少しは楽になった?」
「うん……」
段々と瞼が重くなる。
「ね、先生……僕の精子測定、あと何回で終わる?」
「残りはあと2回だよ。さぁ、アセナ……もうおやすみ」
「うん……」
あと2回終わったら、
僕はまたお部屋に戻れるんだ。
先生と……また…………
死にたいと願う反面、
それても、先生と一緒に居たいと願う僕は貪欲だ。
僕の意識が途絶える。
次に目覚めた時は、きっと実験台の上だというのに。
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