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僕の悦び4
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僕の頬を伝う涙を拭った先生の指先が、
僕の唇をなぞった。
「アセナ」
先生の唇が僕の唇に重なって、
僕はそれを受け入れる。
啄むようなキスを繰り返されて、
僕は先生に触れたくて指先を動かす。
「えっ……?」
「どうした?アセナ」
僕は戸惑う。
もう一度、指先を動かしてみる。
「あ……先生…」
僕は混乱してカタカタと震え出す。
「あ、あぁ……」
先生は僕の混乱を理解したかの様に、
僕の指を掬った。
「指が、動かないんだね?」
僕はこくりと頷いた。
硬直したままの指を先生が撫でながら、時折力を加える。
「そりゃぁ、動かないよ。ずーっと寝ていたんだから」
「ずーっと?」
「そう、ずーっと。だから筋肉も筋も全部固まっちゃったんだよ。体力つけて、しばらくはリハビリしなきゃね」
「そうなんだ……」
僕は安堵したかのようにまた涙が溢れてきた。
だって
もう、人間じゃなくなっちゃったのかと思って。
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