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君の笑顔がとろける
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「うわーうめえ!暑い日のアイスってやっぱ最高だなぁ」
感慨深げにアイスを堪能するサガラの頬に、ユツキは白く長い指を滑らせる。
「チョコ、ついてた」
「えっうそ!こっこどもっぽいとかいうなよ!笑うな!」
「あー暑いな!今日は本当に暑いよ!」
やけくそのようにアイスを食らうリョウの隣には、人目を気にせず存分に楽しんでいるサガラとユツキがいるせいで、アイスの溶けるスピードも心なしか早いような気がする。
騒ぎ合う三人とは少しだけ距離をとっているベンチには、シュウとぐったりしているハルトが座っている。
「美味しいなアイス!」
「美味そうに食うよなおまえは。こんなもんのどこがいいのか俺にはわからん」
うだるような暑さにノックアウト気味のハルトは、買ったばかりの苺アイスに手をつける気配を見せない。
「なあなあ溶けちゃうよ?なんで食わないの?」
既にコーンの部分に辿りついたシュウが心配そうな目でハルトを見つめた。
ハルトもシュウを見つめ返し、しばらくお互いの顔を眺めあった。
やがてハルトが諦めのような息をつき、垂れてきはじめた苺を突き付ける。
「やる」
「えっでもハルトが買ったのに?」
「暑すぎて食う気が失せた。いいからもらっとけ」
無理やりシュウの右手にアイスを握らせ、返品ができぬよう体を外側に向けた。
シュウは困ったように手元の苺アイスを見つめていたが、ハルトの恩情にあずかる気になったらしく嬉しそうにかぶりついた。
その頬がちょっとだけ赤かったのは暑さのせいだと納得させた。
夏の日差しにおそろいのピアスがきらりと光った。
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