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余った弁当箱がカラリ
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「きょっ今日はハルトとお弁当食べるんだ…!」
興奮気味に手作り弁当を握りしめる。
不器用ながらも親にスパルタ指導され作り上げた小さな弁当が二つ。
このお弁当二つに何時間費やしたかわからない。
だが、ハルトは嫌そうな顔をして文句を言いつつも全部食べてくれる確証がどこかにあった。
徹夜ぎみなので無駄にハイテンションで学校に向かう。
本日はハルトと一緒ではない。迎えにも来なかったし、出るのも遅かったので先に行ったのだろう。
「おはよー!ねえねえハルト…」
「ああおはようシュウ。ハルトはまだだぞ」
意気揚々と入ったというのに出鼻をくじかれた。
「え?でももう授業始まるよ?」
ちらりと教室の前方の時計を見やる。あと10分で学校が始まるというのに、優等生なハルトが来ていないとは考えてもなかった。
「休みじゃねーの?昨日あんなに元気だったのにな」
「サガラが、そんなに気にする必要はない」
ハルトの体調が優れないのを昨日の自分のせいだ、と思いつめるサガラにすかさずユツキのフォローが飛んだ。言葉にしなくても通じ合ってるところをみると羨ましくなってくる。
「そうか…放課後お見舞いにでも行くかな」
しょんぼりアホ毛をたらすシュウのバッグには二つの弁当箱。
やってきた笠木が「あれ?萱田君はどうしたのですか」と首をひねると、不安とむなしさは倍増した。
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