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なんでこんなウソつくんだろう?
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ハルトの父親と会うのはすごく久しぶりだ。
中学1年生以来ではないだろうか。
世界を飛び回る彼と出会う機会はとてつもなく少なかったので、シュウはなんとなく苦手意識を持っていた。
それにはハルトの父親の何もかもを見透かすまなざしが苦手なのを手伝っているのだろう。
ハルトとよく似た面立ちなのに、経験してきた人生がやはり違うのだろう。
似ているような似ていないようなよくわからない印象しかない。
「うん久しぶりだな。見ない間に大きくなったな。まあ外は暑いだろう。中に入るか…」
「父さん。勝手に家に入れるな」
低い落ち着いた声音。シュウが大好きな声の持ち主は廊下からゆっくり歩いてきた。
「ハルト!大丈夫なの?気分が悪いんだったらすぐ帰るけど」
「シュウ。俺はイギリスに行くことになった」
あっさりと。
明日から旅行に行くのような軽い口調で重い言葉を吐き出され、シュウの生命活動は停止しそうになった。
後ろで傍観者の立場にいるリョウが、深々と溜息をつく。
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