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いざ、未来へ
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「真実を知ったお前は、どうする?ここでウジウジ言っているか?それとも」
「行くにきまってるだろ!」
リョウが言い終わる前にシュウは動いた。
床を蹴り教室のドアを蹴破る勢いで開く。
そして滑りながらも全速力で階段を下り始めた。
途中すれ違った笠木だったが、シュウの形相に思わず注意の声も止まる。
真実を知った馬鹿は、駆け出す。
ハルトがどんな反応をしようがどんな対応をしようが全く構わなかった。
拒否されようと嫌がられようとも。
もうこの思いを黙ってしまっておくにはいろいろ知りすぎてしまったから走る。
彼は彼なりの決意をした。
結果などどうでもいい。
それまでの行いに満足できれば大したことじゃないんだろう。
大事なのは後悔しない選択肢を選ぶことであり、正解を選ぶ賢さじゃないんだから。
納得のいく先へとたどり着くために、勇気は必要不可欠だ。
ずっと言いたかったことを気まずさという垣根が塞がっていようとも。
叶わなくても、走るんだ。
未来のために。
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